諷刺画999夜(諷刺画 千夜マイナスワン)

19世紀の諷刺画を中心に読み解いていく

2014-04-23から1日間の記事一覧

I-3 「ワルシャワの秩序は保たれている」

グランヴィル「ワルシャワの秩序は保たれている」 共和派の反体制勢力が国王ルイ=フィリップの政府を糾弾したのは、主に次の二点である。まず、7月革命によって発足した新政権の約束した民主主義的な施策を骨抜きにしていったばかりか、それに反対する勢力…

Ⅰ-2 「中道派の誕生」

諷刺画、とくに『カリカチュール』や『シャリヴァリ』の政治諷刺画では、有名な絵画のパロディを使ったものがしばしば見られる。これからその例をいくつか見ていこう。 ~~~~~~~~~ まずここで見るのは『カリカチュール』1832年2月2日号にグランヴィルとフォレ…

I-1「贖罪・洋梨記念碑計画」(2)

「贖罪・洋梨記念碑計画」を掲載した『カリカチュール』が発行されると、関係者を巻き込む大きな問題に発展する。それは諷刺画のせいというよりも、間の悪い偶然が重なったせいである。発行直前の6月5日、6日にパリで大規模な蜂起が起きてしまったのだ。 こ…

Ⅰ-1 「贖罪・洋梨記念碑計画」(1)

グランヴィルとフォレスト「贖罪・洋梨記念碑計画」1832年6月7日号『カリカチュール』 「贖罪・洋梨記念碑計画」は1832年6月7日号の『カリカチュール』に掲載された。ここには、コンコルド広場の中央に巨大な梨のモニュメントを建てる計画が描かれている。「…